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「確かに俺が殺した連中の多くはクズばかりだったが、巻き込まれた罪なき一般人がいなかったとは思っていない。それに……俺にとってクズだった人間が、この世の全てから見てクズだったとは思っとらんさ。家族や恋人がいた奴おいるだろう。俺を殺したいほど憎んでいる奴もいるだろう。何より……クズだろうと殺した以上は殺人であり、俺は大量殺人犯なのは間違いない。自分で殺した分も、人に殺させた分も含めてな」
なんせ、世界征服をした魔王、だったのだ。
魔族にとって最良の世界を作るため、出来る事はなんでもやった。手も体も魂もいくらでも汚し、中には他人に汚れることも強要したのだ。
そんな人間が地獄に堕ちないはずがない。とっくの昔に、覚悟はしている。
そう、例え――己に、世界征服できるほどの魔力を与えたのが、目の前の女神であったとしても。
――いくら膨大な魔力と素質を与えられても、それだけで世界のすべてを壊し、作り変えることなどできなかった。俺一人では絶対に成し遂げられなかっただろうな。
仲間たちには、心から感謝している。
願わくば彼等彼女等が、一秒でも長く幸せな人生を送ってくれればいいのだが。
「……貴方ってば」
ウィンターは呆れた顔で、クロヴィスを見て言った。
「顔もムッカつくくらいイケメンなくせに、性格もイケメンすぎて腹立ちますう」
「イケメンなものか。俺は元奴隷のクソガキだぞ」
「言っておきますけど、私は貴方に力は与えたけど顔とか性格は変えてませんからね?まさかこんな美形だなんて思ってもみませんでしたわー……ああ、今そういう話じゃなかったっけか」
よいしょと椅子に座り直す女神。
相変わらず話が進まない。この女神はどうやら己の顔をやたらと気に入っているらしいが。
「えっと、まずクロヴィスさん。貴方は魔王として世界征服を成し遂げて、禁術の代償で死にましたぁ。まあ、それはわかってますよね?」
「ああ」
再確認。何度も言うが、その後地獄に堕ちることまで了承済みである。だからこそ、理由を説明しろと言っているわけだ。
ここは、大昔に訪れたことのある女神の部屋に間違いない。ということは、現世とあの世の狭間にある空間だろうということは理解できるが。
「私はあんまり納得してないんですけど。貴方は地獄に行くことになってました、本来なら。でも、上級神の方々が違う償いを与えよと言ってましてぇ」
「どういうことだ?」
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