開かない金庫

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そう考えると金庫も何かの語呂合わせではないかと考えた。 佑平は息を引き取る時に、 「あ・い…」 と言って息を引き取った。 そして葬式を終えたある日の深夜2時に、 「愛してる!」 と私に言い残していった。 この言葉を思い出した私は、ダイヤルキーに、 (14106) とセットしてみた。 これは『愛してる』という語呂合わせだ。 すると金庫は魔法が解けたように、静かにスーッと開いた。 何が入っているのかと期待していた私は、金庫の中を見て何事が起きたのか理解できなかった。 金庫の中は空っぽで、何も入っていなかったからである。 私は唖然として、ぼーっとその場で金庫を見つめていた。 しかし、私は思わず、 「うふふ…」 と笑い出してしまった。
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