1話

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「伊織とは、絶対に、なりなくないです」 「俺も!コイツとだけは、イヤです!」 はぁぁっ? コイツとはなにを言っているのだろうか。 「お前らそんなにお互いが嫌いか」 「「嫌いです(だ!)」」 私たちはボスが言い切る前に答えた。 しかも揃った。 最悪だ。 その様子を見たボスは、呆れ顔で言った。 「じゃあお前らはペアとなれ」 「「は、はい……」」 コイツ……いや、この人とか。 ボスの命令だから、しょうがない…か… 「じゃあお前らのペア名は、マーブェリックだ」 「マーブェリック……"異端者"ですか」 異端者――権威・世俗的な常識などから外れて孤立している人という意味だ。 私と伊織は、親を殺されている。 そしてボスに拾われ、今まで殺しの知識を叩き込まれてきた。 そのため、常識などから外れて孤立しているのだ。 もちろん常識の知識(足し算とか掛け算とか)も一応あるが。 「紗月、伊織、我が国の未来のために。これ以上犠牲者を出さないために」 「はい」「おう」 もう犠牲者を出したくない。 その思いで、このヴァイツェンという殺し屋組織に入ったのだから。 それにしても…… 「私の邪魔しないで、伊織」 「はぁっ?それはこっちのセリフだよ!」 ((絶対話さない)) そのころボスは…… (コイツら大丈夫かなぁ)
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