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だったら、向こうだって仲良くなりたいと、思っているはず。
親近感を無理矢理しぼり出し、僕は果敢に話しかけた。
「一年生、ですよね?」
その子はこくん、とうなずいた。小さな顔だから、空気がこくんとしか振動しない。
「僕も一年です。放送部に入りたくて。ここじゃなかったのかな?」
「……いです」
「え?」
「分かんないです」
小さいけれどくっきりした、きれいな声だった。
だから僕の心は何だかふわっとしてしまって、その後いろいろ話しかけてしまった。北村さんはうん、とかはい、とか言うだけだったけど、僕はそのうん、とかはい、を聞くだけでうれしかった。
多分その気持ちが、今もずっと続いている気がする。
僕にはなりたい声がある。
TYVテレビのアナウンサー、久住さんの声だ。
世の中、いろいろなアナウンサーがいる。すごく野球の実況が上手い人、ニュース向きの人、バラエティ向きの人、何でもできる人。
基本的に、久住さんは何でもできる人。けど、どちらかというとバラエティの出演が多いから、バラエティ向きの人、だと世間では思われているようだ。
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