2 雨降り山・竜の泉

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「うん。昔、旅に出るって時に、レオが言ってくれたの。『無用の争いが()けられるなら、それにこしたことはないよ』って」 「なるほど。あの三人、アクが強くて共闘しそうにないもんなぁ。ニナは仲間をまとめる(かなめ)だったのか。もしや、勇者を呼びよせる体質?」 「そんな大層なものでは。うーんと、私は『魔除け』係で、あとは洗濯魔法とか、雑用全般で」 「ああ、あいつら野郎のくせに妙にこざっぱりしてたし、手刺繍(ししゆう)入りのマント着用だったよな。ちょっと(うらや)ましかった」  私たちはふたたび歩き出した。石像を通り越し、泉のほとりへむかう。岩肌がむき出しの小道を曲がるうち、霧がたちこめてくる。と、 「まずいな」  突然ヤンが私の手をひき、背に(かば)った。 「今日は(バーニ)が巣に帰ってるみたいだ。かすかに体臭がする」  俊敏(しゅんびん)なその身のこなしを見て、なんだ、この人そうとう強かったんだと思う。 あの三人を見ているうち、どうもおおよその戦闘力かわかるようになってしまったみたい。 「残念だけど、聖水はあきらめよう」 「え。なんで?」
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