天を仰ぐ

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翌日。 アトスはイアン、そして集落の男数人を連れて山に挑むことになった。 幸い森の中は迷うことの無い単純な道のりだったので、女たちも果物を取りに同行し、山に挑む者とは別行動で採取に取り掛かることになった。 「それにしても凄い山だな……。」 「あぁ。これまでの山とはわけが違う。険しそうだ。」 連れてきた男たちも、今回の山の険しさに驚き、呆然と見上げていた。 「いいかアトス、やみくもに頂上を目指そうとするな。やっと集落が作れそうなんだ。時間はたくさんある。少しずつ、距離を広げたり道を開拓しながら頂上へと向かっていこう。こんなに大きな山だ。数日で制覇できると思うな。」 ここでもイアンは冷静にこの先の見通しをアトスに告げる。 「あぁ、分かったよイアン。じゃぁ早速行こう。」 イアンの話を聞きながらも、アトスの視線はは山から離れることはなかった。
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