天を仰ぐ

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「良くやったぞお前たち。これで我が一族は安泰だ。この地に集落を本格的に築き、この地から子孫を繫栄させていこうではないか。」 族長の言葉に、一族の者が活気づく。 これまで辛い移動の日々が続いていただけに、この場に定住出来るということはこの上ない喜びであった。 それから、民たちはベースキャンプを集落にするための作業を急ピッチで開始した。 食料の調達という大きな目標をクリアしたとはいえ、この地に辿り着いてからまだ日が経っていないので、どんな動物がやってくるか、どんな自然災害がやってくるのか見当もつかない。 住処は出来るだけ強固に、柵は出来るだけ頑丈になるよう、民は力を合わせて取り組んだ。 久しぶりの、本格的な住処の建築。 アトスも、民のために身を粉にする事を厭わなかった。 それでも、彼の心の奥底には、未だ消えない山への好奇心が燻り続けていた。
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