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OH MY GODDESS!
オレ……青山 翔也と加納先輩、そして真辺 早紀は仕事帰りに飯を食いに行く事が多かった。
今夜もいつもの店の、いつもの個室で、オレたちはいつもの飯を食いに来ていた。
席もいつも通り……オレの隣には早紀、そして対面に加納先輩。
酒好きのクセにあまり強くない早紀の頬は、たった二杯のビールで既にほんのりピンク色だった。
そして、いつも通りの食事の雰囲気だったのを、今夜は加納先輩の一言でガラリと変わったんだ……
「青山、早紀ちゃん……ちょっと話があるんだ」
そう云って少し真面目な顔をした加納先輩に、オレと早紀は何事かと顔を見合わせる。
何の話だろう?
さぁ?
オレたちはアイコンタクトで語り合う。
再び加納先輩に視線を戻せば、先輩はスマホをいじっていた。
そして「実は……」と、一人の可愛らしい女性と頬を寄せ合っているセルフショットを、加納先輩はオレたちに見せつけてきたんだ。
「わ、可愛い人! 誰ですか?」
「先輩、まさか……」
食い入るように加納先輩のスマホ画面を覗き込む早紀と、先輩の云いたい事を察して言葉を失ったオレ。
そして、加納先輩は照れくさそうに頭を掻きながら……
「ボクの彼女」
なんて云うんだ。
「うわぁ! ウソ!? いつからですか?」
「先週告白して……まだ一週間経ってなんだけど」
「……」
先輩の衝撃的な告白に、早紀は大興奮で身を乗り出し「歳は?」「どこで知り合ったんですか?」と質問攻めを始める。
オレは衝撃的すぎて、言葉が出てこない状態が続いていた……
だけど、徐々に冷静になり落ち着きを取り戻してくる頭の中……オレは興奮冷めやらぬ早紀の横顔を見つめた。
他人の恋愛事でよくそこまで興奮できるな、とある意味感心していた。
「翔也は?」
「え?」
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