青い奴ほどよく語る #6

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 ある日ひょんな発言が、友達から飛び出した。 「太一君が告白をずっと断ってる理由は絶対好きな人がいるんだよ。それも、相手はきっと美奈だよ!」  どうして、そんな発想に繋がってしまったのか友達の思考は分からないが、私は幼馴染としてすぐさま否定した。 「それは絶対ないから。 わたしたちはそういう目でお互いをみていないから」 「そうかな? もし二人が付き合うことになったら、今年一番の大ニュースだよ」 「幼馴染から始まる恋って、全女子の憧れのシチュエーションだよ! それが太一君と美奈ちゃんで実現してほしい」  もう一人の友達も話に入ってきて、私は思いも寄らない他者からの期待に、笑みがこぼれてしまうのをなんとか抑えた。  実は、私も薄々そういうふうに考えていた。  ここ最近様子がおかしい太一は、ついに恋愛を意識し始めたかもしれない。  その相手は、ずっと彼の身近にいる女子。  つまり幼馴染の私だ。  周りの女子たちの意見が、後押しとなる決め手だった。  その後、別の友達も同じことを言っていた。 「太一君は美奈に告る勇気がないだけだよ。もし、告って振られたら、これまでの幼馴染の関係が壊れちゃうから、何もしないだけでしょ?」  思春期を迎えた私は、当の早くから中村太一を異性として意識し始めていた。  きっと彼も、最初に意識するのは私だと思っている。  彼に告白して、振られる女の子たちをみていたら、なんともいたたまれない気持ちになってしまう。  ごめんね、太一とそのうち結ばれる相手はもう決まっているのよ。
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