短編小説 『あい』

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短編小説 『あい』

あの頃、貴方との出『会い』は運命だと感じた。 詰まらない話も時を忘れる程楽しんで、 哀しみも苦しみも貴方がいたら乗り越えられると確信してた。 やがて私たちは付き『合い』始めた。 同じバンドが好きで同じ小説が好きで、 考えの相違だって受け入れ合い話し合えた。 私は勝手に 『私たちは相性がいいんだろう』 と思っていた。 そして交際を始めてから1年程経って貴方は 『将来結婚しない?』 と言ってくれた。 私は天にも昇る思いだった。 それくらいに気持ちが舞い上がったのを覚えてる。 毎日のように長電話して 「次いつ会える?」 なんて……… 次なんてないのに……… 『愛』し合ってると思ってた……… でも貴方には私の他に女がいた。 私は彼の7人の女の中の1人でしかなかった。 毎日貴方は私たち女を代わり番こに可愛がっていた。 少しずつ貴方が私を避けていると勘づいたのがこの『愛』終わりの始まり……… 私は結局貴方の女の中の7人中の3番目だった……… そこに『愛』があったかは今も分からない……… 貴方は最後に私に言った。 「上の2人には勝てなかったね」 この『愛』が『哀』で終わるなんて 私は思っていなかった…………………
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