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第参夜 クーリング・オフ
どれだけ時間が経った頃だろうか。
いつの間にか私は寝ていたようで、
気がつくと、自室のベッドにいた。
寝ぼけた目をこすり、ベッドから降りる。
汚れた服は元通りになっており、スマホを開くとデジタルでAM2:00と表示されていた。
「夢…?」
さっきまでの事が無かったことなのではないかと思うほど、全てが元通りになっていた。
だが、自ら切った指の切り口が塞がっていて、その跡のようなものが微かに残っていた。
それを見て、私は一連の出来事が現実であることを自覚した。
「そうだ…私神主になったんだった…」
改めて自分の酒癖の悪さを自覚した。
酔っていたからといって、知らない人(?)について行き、契約を結んでしまった。
「これからどうしよ…」
ふと部屋の端を見ると、あの時買ったビール入りのエコバッグがあった。夜の神が私と一緒に運んでくれたのだろうか。
「取り敢えず酒飲んでから考えよう…」
エコバッグからビールを取り出すと、季節が真夏なこともあって、ビールはすっかりぬるくなっていた。
「ちぇっ…」
すぐに冷蔵庫を開け、ビールをすべて入れた。
ベッドに再び寝転がり、さすがに夜も遅かったので、私は常備している睡眠薬を飲んで、大人しく眠りについた…
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