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「ジュワァ〜〜〜〜〜〜〜」
美味しそうな音を立てて鮎が揚がっていく。
6,7分ほど上げれば十分だ。
タイマーをセットして、使ったボウル類を洗う。
スキマ時間に洗わないと、すぐ洗い物が溜まってしまう。
その後2階に上がり、天気がいいので部屋干ししていた衣類やベッドシーツをベランダに干した。
干し終わると、1階からピピピピとタイマーが鳴り響いた。急いで降りて火を止める。
いい感じだ…!
冷凍庫からジョッキを取り出し、
ポッピーと黒ポッピーを1:1で注いでいく。
「出来た…!」
鮎の天ぷらとポッピーのハーフ&ハーフ。
酒好きなら腹が鳴らずにはいられないメニューだろう。
私はワクワクしながらテーブルに運び、
椅子に座った。
「…頂きます。」
上品に手を合わせ、生命に感謝する。
「美味しそうなもん食べてんね〜。」
「…!?!?」
突然、窓からあいつの声が聞こえた。
「豪!?なんで…」
「いやいや。君が未成年なのに飲酒してるから、来てみたんだよ。そしたら、これはこれは…いいな~うまそうだな~。俺、お供え物は甘いものとかばっかで、もう食い飽きたんだよね。」
「…つまり…?」
「俺にもちょーだい!」
神が人間に物をねだるって…
でも、加護の恩があるし…
「いいよ…」
私は窓を開けて、豪を迎え入れる。
「やったー!いただきます!」
豪はそう言うと、おもむろに鮎を一匹素手でつまむと、むしゃむしゃと平らげた。
「うま!!君、料理めっちゃうまいじゃん。これに比べると信者のお供え物はカスや。」
急に関西弁…?
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