1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ゴフッ…!?」
化け猫の猫パンチは、夜の神のバリアを豆腐のように粉砕し、そのまま夜の神を神社の端まで吹っ飛ばした。
「大丈夫!?」
慌てて駆け寄ろうとした時だった。
「く、来るな!お主は、御札を持って来い!
今の儂には信仰がないゆえ、力が出ん!早く契約を結ばねば、お主を儂も死んでしまう!」
そういえば、あの時私たちは御札を部屋においてきた。
「わかった!」
あの御札で契約を結ぶのだろう。
急いで部屋までダッシュする。
「さセるカ!」
化け猫が何かを吐いた。
「うわっ!?」
これは…
「毛玉!?」
ネバネバとした毛玉が私を地面に拘束していた。
「汚い…」
私は急いで毛玉を取ろうとするが、粘ついた糸は体にまとわりつき、なかなか離してくれない。
「貴様!」
夜の神が起き上がり、手に力を込める。手の中に黒い玉のようなものができ始め、
「娘を食うと言うなら、これでも食わぬか!」
化け猫目掛けて投げた。
「コんなモの…」
化け猫は手で玉を弾こうとすると、黒い玉は化け猫の目の前で爆発した。
「ニ゛ャアっ!」
閃光弾のようなものだろうか。化け猫は目を押さえている。
「今のうちに、行け!」
「…うん!」
私はありったけの力を込めて糸から抜け出すと、部屋に向かって走った。
「良かった…」
御札は、床に無造作においてあった。
それを掴んで、夜の神のところまで走ろうとした時だった。
突然、足が重くなった。
「なっ…!」
さっきの糸が、意思を持ったように私の足にしがみつき、地面と一体化していた。
「離せ!離してよ!」
だが、絡みついた糸はそれを拒み、私を拘束し続ける。
「あ゛ああ!」
夜の神の悲鳴が聞こえた。
「いい加減にして!」
私は今までの人生で初めて拳を振り上げ、糸の塊めがけて思い切り殴った。
「いて!」
間違えて自分の足も殴ってしまった。
でも、糸はようやく外れてくれた
すぐに夜の神のところまで戻る。
最初のコメントを投稿しよう!