鏡よ鏡

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鏡よ鏡

古びた古物店の奥に、埃をかぶった一面の鏡がひっそりと佇んでいた。その鏡は1800年代から存在し、時代を超えて幾度となく持ち主を変えてきたが、いずれも不幸な結末を迎えるという噂が絶えなかった。ある日、店に訪れた若い女性がその鏡に心を奪われ、無意識に手を伸ばした。 「この鏡を…」 店主は無表情で頷きながら、その鏡を彼女に売った。彼女が自宅に持ち帰り、部屋に飾ると、鏡はじっと彼女を見つめ返すように光を放った。その夜、鏡の中から微かな声が聞こえ、彼女は夢の中で昔の風景を目撃する。女性は徐々に鏡に魅入られ、やがて鏡の中の世界に取り込まれてしまう。 次の日、古物店にはまた別の誰かが訪れ、同じ鏡を見つけた。鏡は変わらず、次の犠牲者を静かに待っていた。
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