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 侑哉は青天の霹靂というような顔をした。目を丸くして瞬きを繰り返した。 「は? なに?」 「慰謝料、払ってね」 「なんだよ慰謝料って」  侑哉が声を荒らげた。 「ずっと我慢してたんだから、私ずっと知ってたんだから」  そう言って私の声もヒートアップする。 「なになにどうしたの」  ふたりの問答は義実家の方にまで聞こえたらしく、お義父さんとお義母さん、真希ちゃんまでもが駆けつけた。正直真希ちゃんには見せたくない場面だったけど……。 「これ」  机にバンッと叩きつけるように見せた。探偵が撮った久美乃との写真。 「なにこれ?」  お義母さんが中を開いた瞬間眉をひそめて「ぎゃあ」っとそれを投げつけた。机いっぱいに写真が広がる。 「平田久美乃さん二十三歳、侑哉と同じ職場の人ですね、私と付き合う前にお付き合いしていたようですね、体の関係もあります。結婚の約束もしているようですね、私とはまだ入籍前ではありますがもう婚約状態……というか結婚式も挙げている状態なので正式におふたりから慰謝料を請求します、もう弁護士には相談済みです」  一気にまくし立てるように言い切った。
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