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「なにこれ、お兄ちゃんサイテー」  真希ちゃんの目が軽蔑に変わる。 「いや、違うんだ、これには理由があって、この日は相談があるって言われてお茶を飲んでただけなんだ」 「申し訳ありませんがスマホの中身も全部証拠としてとってあります、決定的証拠もいくつもあります」 「スマホの中身? どうやって見たんだよ」  侑哉はみるみる顔が赤くなり激昂した。 「001010、最初はなんの番号かまるでわからなかった。愛する人の誕生日だったんですね、2000年10月10日。そろそろじゃない。祝ってあげれば?」   「お前ー」  そこで初めて侑哉が立ち上がって右手を振りかぶった。私は咄嗟に体を丸め頭を両手で覆い防御した。そして次の瞬間バチンと大きな音が部屋に響き渡った。   「いって」  お義父さんが侑哉をぶったのだ。 「侑哉、これほんとのことなのか?」 「いや」  口ごもる侑哉。 「唯夏さん、ほんとに申し訳ない」  そう言ってお義父さんが私に深く頭を下げた。 「そんな、お義父さんやめてください」  お義父さんの目に涙が溜まっている。また今回も私はこの人のことを泣かせてしまったんだ。
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