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 その後侑哉に買わせていた株の会社の社長はやっぱり「負けは負け(笑)」の発言をし、一気に株は暴落したのである。もう侑哉に残されたお金はほとんどないはずだ。  これで終わりだ。  新たな日々を歩き出すように一歩前に足を出す。  いつもより日差しが眩しくて目を細める。新たな日々はきっと今までよりいい日になる。だってあんなどん底な日々だったんだもん、それ以下にはならない。 「唯夏さん、今週末飲みに行きませんか?」  仕事の合間、部長の目を盗みながら円香ちゃんが耳打ちをしてきた。 「あー、いいね」  すると円香ちゃんは「やった」と破顔して斎藤くんの方を向いてウインクをした。どうやら斎藤くんもいるらしい。  そんなやり取りをしていると会社の電話が鳴った。円香ちゃんは「私が出ます」と手のひらをこちらに向けて小さく咳払いをしたあと電話を取った。  笑顔でハキハキと対応する、それが円香の電話応対のモットーなんだけど、その円香ちゃんの表情がどんどん真顔になっていき、ついに訝しげな表情に変わった。 「はい、はい、はい?」 「(どうしたの?)」
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