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プロローグ
「…ふふ……わぁ 綺麗…」
彼女は笑った。
真っ白な雪の上に広がる“赤”を見て心の底から美しいと思ったからだ。
目の前に広がる赤は花で例えるならきっと椿。
「ひ〜らいた〜 ひ〜らいた〜 なぁ〜んの 花がひ〜らいた〜?」
オールドブルーの空の下でしんしんと降り積もった雪の上に散らばる椿の花びらを歌いながらそっと両手ですくいあげて彼女は笑いながらそれを宙にばら撒いた。
「やっと…やっと神様は私の味方をしてくれた…そう…やっとよ、やっと!あは…あはは……あははははははっ!!」
彼女は狂ったように笑い転げて それから少しして彼女は足元で目を開けたまま死んでいる叔母を冷たく見下ろした。
あんたにいつまでも生きてられちゃ迷惑なのよ…しぶとい蟲みたいな奴…。
「……」
悪いことなどひとつもしちゃいない。自分は皆が言いたくても言えない事を皆の代わりに言ってやっただけ。
「おやすみなさい」
彼女は叔母の頭を足で蹴り飛ばした。
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