足音

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「この映画面白い?」 禄助は勝手に将吾のポップコーンをむしゃむしゃ食べながら尋ねた。 「う〜ん…どうだろうな」将吾は涙を手の甲で拭いながら苦笑いした。 「どうせ見んなら もっとこう うおぉー! ってなるような どっか〜ん! ってしたやつ見りゃ良いのに」 「うおぉ、どっか〜ん?」 擬音ばかりの説明に首を傾げる将吾の隣で凛花は「面白い」と くすくす 笑った。 「俺よく友達とゴーストバスターズ観るよ。李兎と昴って奴なんだけどあいつら変な奴らでさ。 一人は俺と同じ一般人の息子のくせに話し方が何処ぞの貴族みたいだし、もう一人はホルツマンと同じフランケンシュタイン博士だし」 「そんな友達と一緒なら毎日賑やかで楽しいんじゃない?」 凛花が聞くと「冗談でしょ」と禄助は嫌そうな顔をした。「毎日大変だよ。でも確かに楽しいっちゃ楽しいけど」 ついに将吾の飲みかけのアイスコーヒーにまで手を出してごくごく飲むと禄助は ぷはぁ〜 と満足そうに「ご馳走様っした」とアイスコーヒーを将吾に返した。 「禄助君、何か用があって俺の所に来たんだろ?何の用だ?」
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