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「そんで今日はどうしたよ?」
「喪服ではありませんが一応TPOを弁えて黒で統一した服装で来ました」
「そう言う事じゃなくて!」
何度目になるか分からないため息をついて禄助はベンチに座り直した。
「あちらに…」昴は葬式会場の玄関の方を指差した。二人は後ろを向いた。
「栗色の髪をされてる方がいらっしゃいますでしょう?ほら、一つ結びをされてる背の低い叔母さん」
「失礼だぞ」禄助が言った。
「あの方、この間 うちの病院にお越しになられてるんです。…あぁ、本日葬式会場にお越しになられてる方の名簿表で来てる事を知ったんです」
「おやまぁ、いつ見たんだね?」
「中で和尚さんがお経を唱えている間です」昴はにこりと答えた。
ちゃっかりしてらぁ…。「風邪でも引いてお前ん家来たのか?」
「多分予防接種か何かで来たのかと…。ほら最近インフルエンザが流行ってますでしょう?子連れでいらっしゃる方が最近多いんです」
「と言う事はあの人も子供を連れて来たのかね?」
「えぇ、そうなんです。ですが親子で苗字が違っていたんですよね。お母様(?)の方は林田で息子さんの方は坂城なんです。はて何故かしら…?」
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