エピローグ

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「全く知らない人です。誰です、その人?叔母さんの友達?」 「とあるモデル事務所で働いていた方です。芳佳さんとも特別知り合いと言うわけではないようです」 「へぇ。じゃあ他人に殺されちゃったんだ?超ウケる」冬子は笑った。 「……。…植原さんは自身が働いていた事務所の清掃員をしていた男性と共同で春野さんと言う女性を殺害して清掃員の男性の自宅で氷を入れた保冷ケースに春野さんを入れて隠していました。ですが、春野さんを殺害した瞬間を偶然仕事帰りの芳佳さんに目撃されてしまいました」 「運の悪い人」冬子は雪だるまに細い枝を刺して手を作ってやった。 「元々酒を買うためのお金に困っていた芳佳さんは目撃した事を利用して植原さんに近付き黙ってる代わりに金をよこすよう揺さぶりをかけるようになりました。だんだん要求額は大きくなっていき 厄介に思った植原さんは金を持って来たと嘘を吐き例の公園に芳佳さんを呼び出すと躊躇う事なくナイフで芳佳さんを刺し殺害したんだそうです」 萩野の後に続けて梨木が説明すると完成した雪だるまを両手で持って「どう?可愛いでしょう?」と冬子は笑顔で振り向いた。 「話し、聞いてたのか?」 呆れて萩野が聞き返すと「一応ね」と冬子は言った。
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