怪しい奥様

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「お前の事だから他に気になる事があるから俺らんとこに来たんじゃねぇの?」 「……実はね」昴は足を止めて振り向いた。「そうなんです」 「じゃあ話しなさいよ!クールな顔して“そうなんです”じゃねぇよ馬鹿!」 「やれやれまったく…。で、何なんだね、気にしてる事とは?」 「あの叔母さ…林田さん、谷口さんと知り合いらしいですよ」 「まぁ そりゃ 知り合いだから今日ここに来てんだろうよ」 「いえ違くて、娘さんの方です。学校の先生とその先生が受け持つクラスの生徒の一人の関係だったそうなんです」 「なんと!」李兎が驚いた。 昴は林田の方をちらっと見ると二人に視線を戻して 「谷口加奈子さんに恋人が居た事はご存知で?」 「知らん知らん」二人は揃って首を横に振った。 「いらっしゃったんですって。その方のお名前“坂城さん”って言うらしいですよ。面白くないですか?…うっふふふふふふふ……」 面白(おもし)くねぇよ…。禄助は苦い顔した。
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