コバルトブルーの瞳

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「もうちょっと自然に笑ってみようか?はい、3・2・1……うん、ごめんね、やっぱりまだちょっとぎこちないなぁ……まだ緊張抜けない感じ?」 「すっ、すみません!」 謝ったのは今日が初めての撮影の新人モデル。 長くなりそうだわ…。財前は壁掛け時計をちらっと見て内心ため息ついた。 「財前ちゃん この後ドラマの撮影あるんでしょ?時間大丈夫?あの感じだとこっちに順番が回ってくるのもう少し後になりそうだよ?」 「心配ご無用」 正直結構ヤバいのだがライバルの三上にだけは慌ててる姿は見せたくない。すまし顔で余裕ぶって言って財前は腕を組んで瞼を閉じた。 するとそこへ「あっ、居た居た!」とプロデューサーの白鳥(しらとり)(ゆい)が手を振りながら歩いて来た。 白鳥は今年で五十近い年齢なのだが やはりこの業界で働いてるだけあって見た目がとても若々しく 加えてとても美しい。美魔女と言うやつだ。 「お疲れ様です」と二人は軽く頭を下げた。
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