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「私達に何か用ですか?」と三上が聞いた。
「うん、あのね 二人に紹介したい子がいるのよ。前のモデル事務所でトップだった 貴方達より二つ歳下の青海海音って子。その子が今月からうちの事務所に移籍する事になったから」
二人は別に驚かなかった。誰かが突然移籍してくる事などよくある事だからだ。だけど何も返事しないのも感じ悪いよね と計算高い三上の方は「え〜!?そうなんですかぁ?嬉しい〜!♡」と喜ぶフリを返してやった。
ワザとらしい演技…。下っ手くそにもほどがある…だから“女優の仕事だけは”回ってこないのよ。
きゃっきゃっ してる二人の側で財前は はぁ とため息をこぼした。
「あっ白鳥さん、その海音ちゃんって今どこに居るんですか?せっかくだからお話ししてみたいんですけどぉ?」
好き勝手しないように脅しとくつもりかしら?なんてね…。少し前に立ってぶりっ子してる三上を見て財前は苦笑いを浮かべた。
「あー、実はね、海音 今ちょうど社長のところで前の事務所の社長やマネージャーと一緒に今後の仕事内容について話しをしてる最中なのよ。だからゆっくり話せるとしたら夕方過ぎくらいになるわね。ごめんなさいね?」
「なぁんだぁ〜!残念っ!ね、財前ちゃん!」
「私は別に」
「もうっ、可愛くない事ばっか言ってると彼氏出来ないぞ!」
三上は指で つんっ と財前の頬を突ついたが「触んないで」と財前にクールに ぱしっ と手で指を払われた。
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