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「う〜ん、カサカサ痛いよ天野君。紙で僕の綺麗なベビー肌に傷がついたらどうしてくれるんだい?…やれやれ煩くてすまないね、金井君」
ぎゃあぎゃあ 騒がしい先輩達に囲まれながら黙々と紙にペンを走らせて仕事をしている生徒会唯一の一年生の女子 金井に小鳥居が声をかけた。だが返事が返ってこない、いつもはちゃんと返ってくるのに。ありゃ?と小鳥居が首を傾げた。
「お〜い、金井く〜ん」
小鳥居がもう一度声をかけると ようやく気付いて 金井は ばっ と顔を上げた。
「はいっ、食べました!」
「何をだい?」
「ふぇ?」
どうやら書き物をしてるフリしてこっちも寝ていたらしい。
「金井さん、大丈夫ですか?お疲れなのでは?」昴はちょっと心配になった。
「何だか目の下に隈があるように見えるのですが?」
「おやまぁ、キミも寝不足かい?若い女の子が今からそんなんじゃ あっちゅう間に肌が大泣きしだしちゃうよ?」
「若い女の子って…会長、いえ 小鳥居君、貴方 彼女とそんなに歳変わらないでしょう?」
「あはは、心配かけてすみません…。最近携帯ゲームにハマっちゃいまして…」
あらまぁ困ったちゃん…。二人は心配して損したとちょっとがっかりした。
部費の書類がまだ提出されてない自然科学部の部室まで忙しい中わざわざ足を運んだと言うのに【明日から頑張ります】の張り紙がされていて誰も居なかったもんだから ただでさえイライラしていた笠原は あぁっもう! と足を鳴らしてカンカンになって怒った。
「あの馬鹿!部活サボってんじゃないっての!」
別にサボってるわけじゃなくたまたま部活の顧問が急用で来れなくなったから部活が休みなだけ。そして馬鹿とは李兎の事。李兎は自然科学部に所属している。
『俺ばかりを責めるんじゃない。いつもタイミング悪く来るお前にも問題があるのではないのかね?』とどっかから聞こえてきた気がして笠原は あ〜 と溜め息ついた。
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