歳の差事情

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「あれっ…今の子…」 「知り合い?」財前が聞いた。 「えぇ、同じ生徒会の後輩」 ついさっきまで一緒に仕事してたので見間違うわけはない、あれは間違いなく金井さんだ。でも何で三学年の校舎に一年生のあの子が居るのかしら? 笠原は んん? と首を傾げた。 「忘れ物でも取りに来たんじゃない?」 「ここは三学年の校舎よ。あの子の教室は一階」 「あ、そっか」 「各学年の教室が何処にあんのか忘れるくらいなら毎日学校来なさいよ」 「仕事なんだもの。無茶言わないでよ」 「休め!」カッ となって笠原は怒鳴り返した。 「ねぇ ところでさっきの子良いの?ほっといて…」 「何か用事があるから来たんでしょ」 「自分の後輩なのに冷たいのね」 「あんたがそれ言う?」 「だって……………あ」 「え?」 窓の外を見て財前が目を丸くしていた。「何?」と笠原もそっちを見ると げっ! とみるみるうちに顔色を真っ青にした。
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