怪しい老人

4/6
前へ
/131ページ
次へ
「お前のせいだぞ!」 「貴方のせいよ!」 ついに二人は きーっ! と 睨み合いながら手を掴み合って押し合い始めてしまった。負けず嫌いもここまでくると見てる方は呆れて何も言えなくなってくる…。                次のバスが来るまでだいぶ時間があるため結局二人は歩いて帰る事にして また並んで雪道をとぼとぼ進んでいた。 「お前のせいだからな…」鼻水を啜りながら禄助はまだそんな事を言っている。 「はぁ…。最近本当についてないわ!久しぶりに学校に行けばあんなもの見ちゃうし、帰りは嫌な人に出くわすし、あぁ もうっ 本当に嫌な事続きだわ!」 嫌な人で悪かったな。禄助はむっとした。 「……。…あんなものって?」 「大した事じゃないわ」 「気になんじゃん。何さ?」禄助は隣の財前を見た。 「……。…学校の生徒の女の子と学校の先生がキスしてたのよ」 「先生?」 「三学年の古文担当の樋口先生」 財前は思い出してため息ついた。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加