怪しい老人

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「一緒に目撃しちゃった笠原さんがゾワって鳥肌が立ったとかで一生懸命身体中を掻きむしってたわ」 「生徒の子ってうちの学年?」 「一年生。笠原さんの後輩って言ってたわ」 「じゃあ金井か」 「あら知ってるの?」 「天野も笠原と同じ生徒会だからな。顔は知ってる」 「あぁ、そう言えば貴方 天野君とも仲が良かったわね。それと隣のクラスの恩庄君。萩野君って癖の強い子と仲良いわよね」 「お前がそれ言うか?お前とよく一緒に居る笠原だって難解ゲームのラスボスかってくらい癖強だろ」 きっと今どこかで笠原がクシャミしたに違いない。 「それもそうね」と財前がクスッと笑った。 二人が曲がり道に入ったところで背中が丸まった老人が街中をうろうろしながら歩いてるのが目に入った。手には何やら紙切れのような物まで持っている。 “地図”か?と禄助は一瞬思った。老人が何度も紙切れを見返しながら歩いていたからそう思った。
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