ドーナッツ

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「坂城さん、もう良い歳なんじゃないか?」 「うむ。今年で四十…八…だったかな?」 『息子さんの名前は坂城那緒君と言うんです』昴の言ってたのを思い出して「子供居んの?」と禄助は聞いた。 「林田さんと結婚するまでは独身のはずだよ。母さんの話しだがね。どこまで本当かは分からん。何故聞いた?」 「だって付き合ってた加奈子さんって十六だろ」 「愛に歳なんてどうでも良いじゃないか」 「何でもアイラブユーだけじゃ許されない事の方が今の世の中多いんだぜ?俺みたいに引くやつの方が割合的には多いかも」 「ロマンの欠片ひとつ無い男だよ、お前は昔からそうだ」 悪かったなと言うように ふんっ と禄助は鼻を鳴らした。
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