雪に残る足跡

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 まるで天使の羽のようだ…。自分には似合わないロマンチックな事を口に出して言ったら もしこの場所に禄助達が居たら 何か悪い物でも食べたんじゃないか? と心配されるに違いない。 そんな事を考えながら公園のフェンスに寄りかかっていた昴は眺めていた携帯画面を見つめて「めんどくさい…」とため息ついた。 『今日は会える?』 彼女からメールが来ていたのだ。 『昨日何処に行ってたの?』、『本当はこの前一緒に居た女の子の方が好きなんじゃないの?』、『ねぇどうなの?』 “どうして会いたい時にいつも会えないの?” はっきり言って煩い。 付き合い始めたきっかけは相手からのアプローチ。彼女には申し訳ないが正直さほどそんな好きじゃなかった。だが人並みに誰かとお付き合いすると言う経験は大事だと思ったという個人的勝手な理由でOKをしたわけで、でも実際付き合ってみるとほれみろこの有り様状態。適当に返事するもんじゃないなと何度後悔したものか。 昴は少し考えて彼女に電話する事にした。別れ話しをするために。 通話ボタンを押してそんな待つ事なく『あっ、やっと電話してくれた!』と彼女の声が聞こえてきた。 『それで?今日はデート出来るの?』 「別れましょう」 『は?…え……えっ、ちょ、ちょっと待ってよ!何で急にそんな事言うの!?私っ…』 彼女の返事を待たずに昴は通話ボタンをあっさり切った。 案外酷い人間だったんだな、僕って…。
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