雪に残る足跡

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「前田さんに聞かなかったの?」 「聞いてもはっきり答えてくれなかったそうです。それと何かを探してるようにも見えたと禄助君が言ってました」 「何かって?」 「さぁ。それも聞いたらしいんですが何だかあんまり言いたくないみたいで話しを逸らされてばかりで結局何も分からなかったそうです」 「隠し事が多い人ってやだねー……」梨木はコートのポケットに手を突っ込んで歩き出した。 「放っておくんですか?」聞きながら昴は梨木の隣に並んで一緒に歩き出した。 「だって言いたくないんでしょう?無理矢理聞き出す趣味は僕にはありましぇ〜ん」 大体めんどくさいし。と言う言葉が付け足されて聞こえて気もしなくはないが昴は黙って歩き続けた。 「こう言うのはねぇ、ご本人が自分から言いたくなったら聞いてあげたら良いんだよ」 「あの、ちょっと宜しいですか?」 「ほら、こんな風に……」 突然背後から聞こえてきた声に梨木と昴は揃って わっ と驚いた。 声をかけてきたのは前田だった。
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