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「何を口止めされたんです?」
「育子と結婚してからしばらく経って女の子から付け回されるようになった事よ」
「どんな人なんだね?」李兎が聞いた。
「うん、私も会った事ないからはっきり分からないんだけど、若い子だって言ってた。話しを聞くかぎり歳は多分 禄助君と李兎君とあんまり変わらないと思うわ」
「なんで坂城さん付け回されるようになったんだよ?まさかその子にも手ぇ出したんじゃ…」
「それは違うわよ」和田はきっぱり否定した。
「夜、仕事帰りだったんだけど その日は大雨でね、坂城が一人で帰ってたら道路のガードパイプの所に ずぶ濡れになりながら女の子がぼんやりした顔で一人で座ってたんだって。それで思わず『風邪引くといけないからコレ使って』って自分の傘を貸してあげたの」
「うっわ、プレイボーイがやりそうな事…引くわー…」
ぼそっと呟いた禄助の頭を「これっ!」と萩野は軽く手で叩いた。
世の中の善人な方々には申し訳ないが多分俺もそんな怪しげな女を見かけたら無視するな。禄助に一票…。李兎は静かに心の中で頷いた。
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