萩野禄助の事件記録〜貴方しか愛せない〜

大人の秘密

「ちょっとちょっと困るよ笠原！うちはただのコンビニでお洒落な喫茶店じゃねんだからぁ！」

笠原に無茶言われて　給食トレーみたいな　薄緑色のおぼんに　このコンビニで一番人気のもちもちロールケーキを乗せて運んで来たコンビニ店員の格好をした加藤が　ぶーぶー文句言ってきた。

ちゃんと皿とフォークまで持って来たところを見るとそれも笠原から無理矢理言われて無理して持ってきたようだ。

「あんたん家なんだから別に良いでしょ」

「確かに俺ん家で経営してるコンビニだけどコンビニが俺ん家ってわけじゃねぇから！財前さんも勘違いしないでね！？」

「う、うん…」財前は頷き返した。

「食ったらさっさと帰れよ笠原！」

「何で私にだけ言うのよ！？」

ドカドカ足を鳴らしながら仕事に戻って行く加藤に笠原「聞いてんの！？」と怒鳴った。

見ていた財前は少し面白くなって小さく笑った。