4人が本棚に入れています
本棚に追加
「具合どうなの?」
「もう大丈夫よ。ありがとう」
「……。…こんな事聞くの失礼かもしれないけどさ、何か嫌な事でもあったの?」
ぽそっと聞いて笠原はロールケーキを一口食べた。
「……ちょっとね」
「何よ?」
「大したことないの」
「大したことなくてあんな状態になんの?道端に弱々しく蹲っちゃってさ、あんたらしくなかったわよ。格好悪」
ロールケーキをぱくぱく食べながら話す笠原を財前は静かに見つめた。
「なに?用もないのにジロジロ見ないでくれる?」
「最近 同じ事務所のモデルの子が一人辞めてったの」
「仲良かった子?」
「ううん。あんまり話しはした事ないわ」
「じゃあ気にする必要ないわよ」笠原は最後の一口を食べ終えるとフォークを皿の上に置いた。「無駄な心配はストレスの元だもの」
最初のコメントを投稿しよう!