大人の秘密

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「具合どうなの?」 「もう大丈夫よ。ありがとう」 「……。…こんな事聞くの失礼かもしれないけどさ、何か嫌な事でもあったの?」 ぽそっと聞いて笠原はロールケーキを一口食べた。 「……ちょっとね」 「何よ?」 「大したことないの」 「大したことなくてあんな状態になんの?道端に弱々しく蹲っちゃってさ、あんたらしくなかったわよ。格好悪」 ロールケーキをぱくぱく食べながら話す笠原を財前は静かに見つめた。 「なに?用もないのにジロジロ見ないでくれる?」 「最近 同じ事務所のモデルの子が一人辞めてったの」 「仲良かった子?」 「ううん。あんまり話しはした事ないわ」 「じゃあ気にする必要ないわよ」笠原は最後の一口を食べ終えるとフォークを皿の上に置いた。「無駄な心配はストレスの元だもの」
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