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「それで、結局春野さんは見つかったの?」
「分からないわ。どうなったのかしら?って思ってた頃に芸能界を引退するって話しを聞かされたし、同時にマネージャーの植原さんも寿退社するって話しだし…」
「何だかおかしな話しね」
「貴方もそう思うでしょ?でも私以外誰もそれを不思議に思ってないのよ。それも何だか変だなって」
「そりゃだって春野さんの話しを知ってんのがあんただけだからでしょ?皆知ってたら皆変だって言うわよ、あんたと同じようにね」
ペットボトルの蓋を開けながら言って笠原はココアを飲んだ。
「ってか、他人のそんな話しで体調崩すとか あんた意外と繊細だったのね。そっちの方がびっくりしたわ」
「…悪かったわね、繊細で」財前はむすっとした。
「……。…関係ない話しかもしれないけど」
「なによ?」
「しばらく前の話し。二人で見かけた金井さん達の事覚えてる?」
「あぁ、キスしてたやつ?」
「そう、それ」笠原は頷いた。
「あの後…って言ってもそれから何日か経った後の話しなんだけど 放課後に生徒会室に向かう途中で揉めてる声が聞こえてきたのよ。大体の生徒が帰った後だから結構声が響いててね、こんな時間にまだ残ってる人が居るの?って思って早く帰るよう注意しに行ったら痴話喧嘩してたのは金井さんと樋口先生だった」
「声かけたの?」
「まさか」笠原は苦笑いした。「とても入ってける感じじゃなかったから引き返した。だけど…」
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