キミだけ

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「“おはようごさいます”だろ?遅刻したくせに堂々と前から入ってきやがって……ってお前目の下真っ黒だぞ?どうした?寝てないのか?」 「…ふわぁ〜あ〜……。あー、ちょっとさっき帰ってきて……むにゃむにゃ……」 「ん?さっき帰っ…えっ、何だって?おい萩野、大丈夫か!?おーい!!」 ふらふらよろよろあちこちぶつかりながら自分の席に向かってく禄助に猪股が何度も声をかけたがどうやら聞こえてないらしかった。 鞄を机に置いて財前の隣に座ってすぐに鞄に顔を埋めて眠ってしまったのが何よりの証拠だ。 「あー……何だか分からんが…今から終業式始まるから体育館に移動する時は音庄 萩野連れて来てくれな?」 「分かりました」禄助の前の席の李兎は笑顔で返事した。 「じゃあ話し戻るが、今言った通り今日はこの後 終業式のため全校生徒体育館に移動する事になる。授業は無し。終業式が終わり次第 教室でホームルームをして解散。以上だ。皆速やかに体育館に移動するように!」 「起立・礼!ありがとうございました!」 日直が言って皆立ち上がって礼をしてる間も禄助だけは ぐーすか まだ夢の中に居た。 猪股が教室を出て行きクラスの皆もわいわい移動し始めた頃「これ禄助」と李兎は寝てる禄助の頭をポンと叩いた。 「何?朝飯?」と禄助が顔をあげた。 「朝ご飯じゃないわよ。移動よ、移動」財前は言って立ち上がった。 「どこに?」 「体育館だ。終業式があるからな。行くぞ、禄助」 李兎は寝ぼけてる禄助の腕を引っ張った。
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