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「あら、禄助君はおねむですか?」
「どうやら今朝帰って来たらしい。大方情報でも集めに一人であちこち歩き回っていたんだろうさ」
「なるほど」昴は納得した。
「お前は早く体育館に行かなくて良いのかね?生徒会だろ?」
「少し遅れますと小鳥居君に伝えておいたのでご心配なく。それより先に貴方達に伝えておかなくてはならない話しが出来ましてね。これでも一応大急ぎで来たんですよ」
「私は関係ないわね」教室を出て行こうとした財前の腕を李兎は笑顔でやんわり掴んで止めた。
財前は軽く李兎を睨むと渋々立ち止まって昴達の方を向き直した。
「本来ならばもっと早く伝えなくてはならなかったのですが何処を探しても李兎君達が捕まらなくてね、伝えるのが遅くなってしまいました」
「それはこちらが悪かったよ。すまないね」にこっと李兎は笑みを浮かべた。「して、その話しとは?」
「以前 禄助君と財前さんが助けたお爺さん、前田正一さん、先日うちの病院にいらっしゃいましてね気になる事を仰ってたんです」
「うん、何だね?」
「息子の将吾さんを探していると。その方 今 行方不明なんですって」
「おやまぁ!」李兎は驚いた。
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