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「この川で発見された遺体は春野桃佳さんご本人で間違いないそうです。ご両親が来られて確認も取れました」
「そうか…」
同い年の子を持つ親の一人として複雑な気持ちになりながら萩野はまだ草むらの方を見ていた。
「……。…鑑識の結果、春野さんの後頭部に何かで殴られた痕があったそうです。また身体にもいくつか打撲痕があり おそらく殺害される前に激しく殴られたり蹴られたりしていたのではないかとの事です。それともう一つ、春野さんの首に細い切り傷があったそうです」
「細い切り傷?」
「えぇ、多分ネックレスか何か身に着けていたのではないかと…。遺体の側にたった一粒だけでしたが小さなパールが落ちていて、そのパールから春野さんのではない指紋が二つ検出されました」
「誰の指紋だったんだ?」
「それが…」梨木は少し口ごもってから萩野を見てはっきり答えた。
「青野芳佳さんの指紋です」
「…何だと?それは間違いないのか?」
「はい」梨木はしっかり頷いた。「それからもう一つは……」
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