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「あ…でも…」前田が何か思い出した。
「え?」禄助は前田を見た。
「あぁ、いやね、何だか随分前に将吾の高校の同級生がこっちに出張だかで仕事に来たついで入院してる将吾のお見舞いに病院に行ったら、中庭のベンチに座って看護師の女性ととても楽しそうに話してるのを見かけたって聞いた事があったような……」
「それどんな女の人だったの?」
「いや、そこまでは分からない。だけどその二人が話してる姿はとてもただの患者と看護師ってだけには見えなかったって… 」
「将吾さんが入院してたのってこの病院だよな?」
「う、うん…」
「昴」禄助が昴を見上げると「えぇ」と昴は頷いた。
「父さん、将吾さんの担当についていた看護師さんって何方だったか調べていただく事は可能ですか?」
「うん、良いですよ。今聞いて来ますから少し待っていて下さい」
清は にこっ と言うと足早に病室を出て行った。
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