黒い沼について

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黒い沼について

■1■ M県O町の山奥にある黒い沼  もとは祠があったが1955年に小学生の飯塚がぬっぺぽうにそそのかされてブラックグーを解放し黒い沼ができる。それ以来立入禁止となっていたが、2025年の大雨で崖崩れが起こり祠ごと崩壊。ブラックグーが漏出する。  腐臭がするため野生動物は沼を忌避していたが、飯塚は崖崩れの数年前から餌に偽装して野生動物をブラックグー化させていた。※下田の件で死を繰り返す必要があると推測した。ブラックグーそのものに手を加える実験も平行している。  ブラックグーに触れると憑依するが、臭いで忌避される。 ■⑦より■  M県O町と隣県との県境にある黄坂峠付近にある。O町側の黄坂トンネルから下ると片側が急斜面になった獣道ルートでたどり着くことができる。足を踏み外せば沢に落ちる  また、O町の蒲谷地区からのルートだと岩がゴロゴロした足場の悪いルートでたどり着くことができる。 ▶堀井俊介が撮影した写真  鬱蒼とした森、黒い沼に囲われた岩場、その上で傾いだ古びた祠。祠と言っても両手で抱えられる程度に見える。黒い沼の表面は、まるで無数の鰻がひしめくようにうねっていた。そして、俊介の運動靴に付着した黒い粘液。その後はブレた写真が何枚か続き、最後の一枚は岩陰から隠れて撮ったもののようだった。沼の奥にマントを被った人影。その影が手にしているのは――斧だ。 ※これは飯塚がさっちゃんを殺害してブラックグーをトカゲに憑依させようとした場面。このブラックグーは飯塚の祖父と祖母が人間の憑依に成功した経験から、下田の憑依をそのまま真似て動物に乗り移らせ憑依可能なブラックグーにしたもの。この時(1985年春)、憑依可能状態のブラックグーは二体(タマから巡査に憑依したものと、さっちゃんから俊介に憑依したもの)  
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