第十五話

8/8
前へ
/81ページ
次へ
 〝将棋〟は今の僕らを結び付ける一番のトピックだ。  とはいえ、昨夜から既に将棋漬けだ。いくら将棋好きの結衣と言えど、そろそろ嫌気が差す頃合いかもしれない。  ――もしかしたら選択を誤ったかもしれない。言った直後に後悔しつつも、結衣の反応を窺い知る為、恐る恐る結衣の方を振り向く。すると、 「お!いいね、それ!ナイス発想!」  結衣はパンっ!と手を叩き、目を輝かせていた。 (……良かった)  と、ほっと胸を撫で下ろしている僕へ、結衣が続けて口を開いた。 「――で、今から連れて行ってくれるのは奏君の行きつけかな?」 「うん。そうだね。昔僕がよく通っていた将棋道場、そこに行こうかな?」 「やった!奏君の行きつけ!楽しみ〜」  というわけで、僕達は将棋道場を目指す。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加