第二話

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 年齢を重ねるにつれて母と叔母さんを重ねて見る事は無くなっていったが、この家族の中で自分だけが部外者という肩身の狭さは変わらず感じていた。  いつまでもこの家族の中に混じっているわけにもいかない。  そんな思いから、僕は一人暮らしを決意し、その思いを叔父さんと叔母さんへ伝えた。  でもその時の叔父さんと叔母さんの寂しそうな表情を見た時、僕は初めて叔父さんと叔母さんから愛されていたんだという事を知った。  ――『困った事があったらいつでも頼りなさい。それと、週に一度は必ず帰って来て、こうして()()皆んなで一緒にご飯を食べる事』  それを条件に一人暮らしが許可されたのだった。
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