第二話

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 ――夜。  風呂と夕食、洗い物やその他家事諸々やる事全てを終わらせた僕は、ホットココアが入ったマグカップを片手にベランダへと出る。  特に何を考えるというわけでもなく、ただボーっと、一日の終わりに星を眺めるのが最近の僕のマイブームだ。  しかし、今日はいつもと違い、どうにも気分が上ずってならない。  その原因は無論、今日転校してきた佐々木結衣にあるだろう。    すぐ隣りにあの佐々木結衣がいる。  ただそれだけでそわそわと落ち着かず、授業も上の空で聞くしかなかった。  否が応でも湧き立ってしまう高揚感が単純に鬱陶しいとすら思えた程だった。  事実、今日一日を終えてみて昨日までの日常には無かった疲労感を覚えている。  ただそう言った負の感想も結局は僕自身が勝手に舞い上がっているだけで、当たり前だが佐々木結衣が悪いわけではない。
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