【短編版】女手一つで育て上げた娘が嫁に行き、あとはゆっくり余生を過ごそうと思っていたら、年下の公爵様に見初められました

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「お母さん、今日まで私を育ててくれてありがとう。私、幸せになるね」 「結婚おめでとうアリア。マルク様と絶対に幸せになりなさいね。お母さんみたいにはなっては駄目だからね?あとそれと、お嫁に行ってしまってもアリアはずっと私の自慢の娘だからね」  私はエミリア。  今日は娘のアリアの結婚式。相手はマルク・リデイン子爵。  平民である娘が下級貴族とはいえ爵位を持つマルク様と結婚できるのは、ひとえに娘アリアの見目の美しさが理由だ。  アリアはこの辺りでは『美人』として、それなりに知られており、その噂を聞きつけてやって来たマルク様が娘の姿を見てその場で結婚を申し込んだのだ。  貴族が平民の娘を前に跪く。言うまでもなくあり得ない事。そんな逸話じみた事を事実にしてしまう程に娘アリアは美しい。母である私でさえも嫉妬してしまう程に。  とはいえ、女手一つで育て上げた一人娘が幸せになってくれる事は母である私にとって一番の幸せである事に間違いはない。
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