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「僕と離婚するのが嫌なのは分かるが、いくらメアリーに詰め寄ろうとそれは無駄な努力だよ。僕はメアリーの事を愛している。君には悪いが、今後僕の愛が君に向く事はあり得ない。原因は君が僕から愛されようとする為の努力を怠ったからさ。君はずっと僕からの愛が自分の方を向いていると思って高を括ってきた。そんな君の怠慢が招いた結果がこれさ。そのツケが今になって回ってきたんだよ。……エミリア。君はこの、若くて美しいメアリーに勝てる要素など何一つ存在しないんだよ。そんなメアリーへ対してそんな強い態度で凄むようなやり方しかできない君はもはや悪女と言う他ない」
そう言ってメアリーの肩を抱くジョン。私を見るメアリーがこれみよがしにニヤリと笑みを深めた。
要するに、ジョンは女としての磨きを怠った私に愛想を尽かしたという事らしいが、私とて今やジョンに対する愛情は微塵も待っていない。今さら愛されたいなんて思わないし、もちろん離婚を拒むつもりもない。
それに何?私が悪女ですって?
聞いて呆れる。言いたい放題とはまさにこの事ね。
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