第一話

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 結婚する前のジョンは毎日のように私に愛を囁いていた。  先に言い寄って来たのはジョンの方からで、まさに私の事を愛して止まないといった様子だった。  しかし結婚してからというもの、ジョンが私に取る態度は一変した。  家事や育児は結婚当初から手伝ってくれる事は一切無く、全て私に任せっきり。  たまに私が、少しは家の事を手伝ってくれないかとお願いをしても「家事育児は女である君の仕事であって、男の僕がやる事ではない」の一点張り。  更には「僕は君達家族を養う為に毎日必死に働いているんだ。これ以上僕に働けと?鬼のような女だな君は」とまで言われる始末。  ジョンの収入だけではと、私だって仕事に出ている身なのにそれだった。  そんな状況下で自身の女磨き? 一体誰の為に?  そして最近では毎晩何処かへ出掛けて行くようになったジョン。  今思えばこの時にメアリーと密会していたのだろうと思う。  そもそもジョンという男は女の価値を見目でしか見ない。  仮に私が女磨きを頑張っていたとして、歳を重ねた私はどの道捨てられる運命だっただろう。
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