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「山に一緒に登ると相手の本性が見えるってやつだよ」
とあっけらかんに言う門倉にミクは驚く。
「あ、いやそのね……男女の仲に限らずなんだけどね、これから先長く一緒にいたいなーっていう人ができたら一緒に2人で山に登れって。そうすれば相手の本性が見える……あ、もちろん俺の本性も見えちゃうわけで」
ミクの隣に門倉は座って話し続けた。
「子供の頃一緒に登ってた友達もね、地上と山の上で変わるやつもいればそのまんまのやつもいたわけよ。で、その中で山登っててなんとなくアーこいつ普段はツンってしてるのに転んだ時に手を差し伸べてくれる人なんだーとかさ、いつも仲良く遊んでたやつがピンチな時に助けてくれないとかさ、さめるよな」
「うん、それ嫌。地上に戻ったら嫌な気分になるかも。門倉さんはどう接したの?」
「んー、普通に接したけどやはり今の付き合い長いのはツンとしてるやつの方で、助けてくれなかったやつは風の噂にも聞かないかも、今の現状……」
鳥の囀りが聞こえる。2人以外には誰もいない。
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