新生活7

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新生活7

「はーっ……」  懐かしい部屋でベッドに寝転ぶと、頭も心臓も落ち着いてきた。 「もしかして今も……」  私、先生のことが好き? ほかの人とうまくいかなかったのは、引きずってたから? 「わかんないよ……」  その時、メッセージが届いた音がした。 「榊さん……」 『お疲れ様です。いよいよだね。緊張しすぎず、香原さんらしい笑顔で会えるのを楽しみにしています』  とくん、とくん、と。明るい音がする。過去のときめきじゃなくて、未来の音。優しくて、あったかい人。別に私に特別優しいわけじゃないと思うけど、明日から毎日会えるのが嬉しい。 「好き、かも」  先生に攫われそうな心を避難させるかのように、私は意識して榊さんで頭の中をいっぱいにしようとしていた。 「衣純ー、メシできたぞー」  階段の下から、先生が呼んだ。駄目、そっちにはときめいちゃ駄目なんだから……。
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