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いや待て。俺も呪いにかかる?
ハッとした心地だった。それはつまり、俺もアイツのことを「チロさん」として当たり前に受け入れられるということ。俺と母さんとチロさん、三人の家族として。最初からそうであったかのように。父さんがいたあの頃と同じように。
なぜ、快は今日元通りになっていた? もしかして、快も呪いにかかったからではないのか。そうすることで、家族の一員に戻れたからではないのか。
なんだ。
母さんを取り戻す簡単な方法が、こんなところに転がっていた。
俺は小さく息を吸い込み、そして。
—了—
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