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「喜んでくれる人を……想像することか」
何だかそれも難しそうだけど、「失敗しないで完璧なものを作る」よりはできそうな気がした。
「ジュース持って来るから作業台に座ってて」
「お!ジュース!」
巧が目を輝かせた。全く……巧は遠慮ってものを知らないのか?
「それで?俺達は何を作ればいいんだ?」
オレンジジュースを誰よりも早く飲み干しながら巧が言う。
「プラバンアクセサリーを作ろうと思うの」
また聞きなれない単語に僕は首を傾げる。木村さんも困った顔をしていた。
「プラ……バン?」
「プラスチックの板のことだよ。まあ、私のところのは普通のプラスチックじゃないんだけどね……」
藤咲さんがさらっと気になることを小声で言う。ということは……今回の作品もまた何かしら魔法がかかっているんだろうか。
藤咲さんはプラバンのイメージが湧かない僕らの前に作品を持ってきてくれた。
「こんな風に、パーツを作ってアクセサリーにするの」
そう言って藤咲さんの手の中にあったのは星のモチーフがかわいらしいヘアゴムだった。確かに星のパーツはプラスチックみたいだけど……どうやって作ってるんだろう。プラスチックの板をこんなに綺麗に加工できるもんなの?
「あの……かわいいけど、私こんなすごいの作ったことないよ……」
木村さんが自信なさそうに、小さな声で言う。
「大丈夫!誰でも簡単に作れるから!皆でやってみよう。楽しいよ!」
「プラバンか……。面白そう!」
僕は腕まくりをして、作業台に座り直した。
よーし。今日も作るぞ!
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